スジボリは楽しいですけど大変ですよね。
追加するラインのデザインや量、場所など、センスも問われます。
筆者はセンスがありませんが笑
スジボリに使う工具はタガネ。
ただ線をほるだけなら何を選んでも問題ないと思いますが
クオリティをあげようと考えたときに、工具についても気にしたほうが楽にかっこいいスジボリができます。
実際のスジボリした状態を写真で見てみましょう。
この記事ではタガネの先端の状態による出来栄えの違いに注目して写真を見ながら解説します。
スジボリ
プラモデルのキットの部品の特につるんとした面に線を追加してパネルラインと見立てて情報量をあげたり、実際の工業製品のように仕上げたりと様々な工夫で作品を仕上げることができます。
パーツの表面に工夫したオリジナルデザインで線を追加することで、あたかもパーツ同士を組み合わせたかのような表現が可能になります。
オリジナルなラインを追加することで、これは世界にただ一つの作品ともいえますよね。
スジボリの工具ではチゼル、タガネ、ノミ...と様々な名称があり、それぞれ用途や工法によって同じような工具でも名称が違うようです。
何が正解かはいったんおいておいて、本記事では「タガネ」と呼ぶことにします。
工具の差
極論を言えば、プラスティックより硬い鋭利な工具で線を引けばスジボリできてしまいますが、とても便利な様々な工具がありますので好みや予算に応じて揃えればいいと思います。
ただ工具の状態によっては細かな部分ではありますがやはり仕上がりに差が出ます。
ここではスジボリの線の開始位置の形状についてみていきます。
仕上がり
下の写真は2種類のタガネで線を引いてみた状態です。
上の線2本が「ファンテック 斬技シリーズ スジ彫りカーバイト」0.2mm
下の線2本が他のタガネ0.2mm
左から右に向かって1回ケガいた状態です。
始まりの形状に注目すると、上の2本は四角い形状、下の2本は斜めというかダレた感じの形状ですね。
違いがわかりますか
これはタガネの先端の形状によるものです。
タガネの材質の差もあるかもしれませんね。
先端をよく見てみると見事な直角ですね
「スジボリで線を引く」を目的とするのでここまで形状にこだわらなくてもスジボリはできますので使用する目的や予算で選べばいいでしょう。
なお、上の実験に使ったそれぞれのタガネの先端の形状は特に加工などはしていません。
使い方のアレンジ
パーツの端から端までスジボリで線を引くだけなら気にしなくていいのですが、短い溝のようなアレンジを加えるときに工具の先端形状がちゃんと「角」になっていないときれいな長方形になりません。
せっかく揃える工具ならきれいな加工が簡単にできたほうがいいですよね。
EGガンダムの黄色のパーツに2本の溝を追加してみました。
ファンテックの0.4mmを使って4−5回かるく掘っただけです。
ちゃんと角張った溝に仕上がっていますね
角を整えなくても、もしくは少ない手直しでかっこいい追加ディテールアップができます。
この例は外形に達している線(溝)を表現しています。
パーツの中央にある溝を作りたければ、線の両側から加工してあげれば長方形の溝にもしやすいですよね。
他の使い方いろいろ
- 段差を掘りなおすとき
- 溝を掘りなおすとき、溝を追加したいとき
- だれている段差をシャキッとさせたいとき
掘りなおしたい溝の幅に合わせて掘ったり、
少し幅の広めのケガキがあれば(段差よりちょっと幅の広いケガキ)を角を立てたい面に沿ってなぞったり、
など使い方をアレンジできますね。
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工具選び
買って使ってみないとわからないというのが実情ですよね。
僕のスジボリ工具選びのポイントは先端が直角かどうか。
先が直角になっていないと線の引き始めとひき終わりがきちんと直角になりません。
仕上がったキットは遠目でみると線が追加されているのですが、短い線や追加した溝はよく見ると長方形ではありません。
先端が直角になっていないケガキだと、長方形に整えようとするとケガキの先の表側と腹側で交互に引っ掻いて整えてみたりと、追加作業で整える必要が出てきます。
しかし、直角ではないのでなんとなく長方形「っぽく」仕上がります。
よく見るとガタガタになってしまったり、修正をやればやるほど最初に追加しようとしていたサイズからどんどん長くなってしまうんですよね。
少ない回数できれいに仕上げようとするなら工具もそれなりのものを選んだ方がいいというのが経験から言えることです。
タガネで人気があるのは「スジボリ堂 BMCタガネ」ですね。
ただなかなか入手が困難なのと、とはいえお値段もそれなりにします。
ファンテック 斬技シリーズ スジ彫りカーバイト おすすめポイント
今回作例でも紹介したスジボリツールが「ファンテック 斬技シリーズ スジ彫りカーバイト」。
お勧めできるポイントがいくつもあります。
- 入手しやすい
お好みのサイズ(幅)のものが簡単に入手できます。
各種ECサイトで扱っていますので、普段活用しているECサイトで入手できるでしょう。
欲しいサイズのもの1本から注文できるので、まずはどれかを使ってみてから他のサイズを追加していってもいいでしょう。
- サイズ(幅)の種類が豊富
0.05、0.1、0.15、0.2、0.25、0.3、0.4、0.5、0.6、0.8、1.0、1.2、1.5mm幅というラインナップです。
- 材質
硬質なタングステンが使われているので、頑丈で扱いやすいタガネです。
ただタングステンは非常に硬い材質なので乱暴に扱うとかけてしまう恐れがあるので丁寧に使いましょう。
そして高品質な材質を採用しつつリーズナブルな価格に抑えられています。
- 使いやすさ
別売りのホルダーを使うことで握りやすい、作業のしやすい工具となります。
先端の取り換えが楽で、すこし緩めるだけで、すぽっと差し替えができます。
ピンバイスを持っていればピンバイスのグリップでも使えることは可能ですが、重量面や差し替えは煩わしいかもしれません。
ファンテック 斬技シリーズ スジ彫りカーバイトのおすすめオプション
タガネ単体よりもグリップ(ホルダー)に装着しての作業がお勧めです。
またオプションも充実していますので紹介します。
- タガネ本体
これまで紹介してきたタガネです。
- ホルダー
握りやすい、作業のしやすいホルダーです。
ブラックもあります。
- ケース
タガネ先端部を一式入れて、保護にも役立つケースもあります。
立てて使えるので差し替えや先を選ぶときにもさっと認識できます。
0.15mmと磨き、ケバ取りブラシがセットになったスターターセットもあります
- ケガキ
ケガキ用のニードルです。
スジボリをしたらやすりがけや塗装もしたいですよね。
別の記事で面だしやエッジだしのやすりがけやグラデーション塗装についてもまとめていますのでこちらからどうぞ。
スジボリの工具 なに使ってる? のまとめ
スジボリを実際にしてみて状態の検証を含めて解説してきました。
キットに元々ある線をなぞって墨入れしやすくしたり、追加で線を追加するならどれを選んでもいいかもしれません。
さまざまなディテールを追加していくときや、作品のクオリティをあげたいというときに、簡単にきれいに作業ができるといいですよね。
「先が直角」をポイントでスジボリ工具を選ぶことで、
使いやすく、
簡単に、
そして修正作業が必要になっても少々の手間で、
きれいでかっこいい作品に仕上げることができると思います。
自分に合った工具を選んで素敵な作品をどんどん製作していきましょう。
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