グラデーション塗装のようなキャンディ塗装のような塗装を見かけることがあります。
ガンプラでいうと金色の「百式」や高級感を演出した仕上がりにしたいときにはやってみたいと思いますよね。
ちょっと難しそうに感じますが普段塗装している応用でできてしまいます。
また一般的にラッカー系塗料での記事はよく見かけますが水性塗料でもおなじようにできるのかな、と思っている方もいるのではないでしょうか。
水性塗料でもキャンディ塗装ってできるの?
重ね塗りでの色の違いはあるの?
キャンディ塗装に光沢や艶消しコートの組み合わせってどうなの?
この記事では水性塗料での黒立ち上げとキャンディ塗装をして、ゴールドを再現しています。
また塗り方による色の差、質感の差についても見ていきます。
黒立ち上げ キャンディー塗装でゴールドに
百式を黒立ち上げのゴールドに塗装したいというところから検証をすることにしました。
ところで、そもそもキャンディ塗装とはどのような塗装なのでしょうか。
ゴールドやシルバーなどのメタリック系カラーを下地として、その上にクリアーカラーを重ねることでりんご飴のような透き通った見た目と光沢感をだせる塗装方法です。
ゴールドの塗料で直接塗ってしまえば…とも思いますが、キャンディ塗装をすることで単にゴールドで塗装するよりも色に深みが出るのではないでしょうか。
ねらい
- 黒立ち上げグラデーションとキャンディ塗装のコンビネーションで仕上げる
このような設定で進めます。
検証としてはこれらを見ていきます。
- 水性塗料をメインで
- 手間をそれほどかけずにどの程度のクオリティになるのか
- つるつるてかてかまでは処理はせず、やすりがけは600番程度での手軽な仕上がりを想定
- 塗り回数での色の違い
- クリアと艶消しのコーティングでの違い
- 水性塗料と充電式エアブラシの組み合わせで塗装を実施
この写真のように塗装してみていきます。
詳細は後述しますが、グラデーションの要領で縁に黒を残しつつシルバーでグラデーション塗装後に全体をクリアカラーで塗装、という流れです。
実際の塗装作業については次の項で解説していきます。
なお、グラデーション塗装については別の記事でまとめていますのでこちらからどうぞ。
また、ガンダムマーカーエアブラシでゴールドに塗装した百式に関してはこちらの記事をご覧ください。
水性塗料で塗装してみる
一般的にはラッカー塗料で塗装を行うケースが多い様に見受けます。
この記事では水性塗料をつかって黒立ち上げ+キャンディー塗装を検証していきたいと思います。
黒立ち上げ
まずは、対象物を黒くしていきます。
今回は検証用に、プラ板とプラスティックスプーンをサーフェイサーブラックで黒く塗装しました。
シルバーでグラデーション
次にグラデーション塗装と同じ要領で、縁に黒を残してシルバーで塗装します。
プラ板のほうは検証用にベタ塗り部分と黒立ち上げ部分をいくつかのエリアに分けてそれぞれ用意しました。
雑に塗っているのでムラが見えますが本番はムラのない様に塗りましょう。
実際にキットに塗装する際にはシルバーはムラが目立つのでこの上に塗った塗装からも見えてしまいます。何度か重ね塗りしてムラのない様にしておきましょう。
クリアーカラーで塗装
シルバーまで塗装したらその上からクリアーカラーで塗装します。
今回はゴールドを目指すのでクリアーイエローを使用しました。
クリアーカラーは重ね塗りすることで色の深みが変わっていきますので、4回塗りまで行い違いを検証しました。
なお、以下の写真ではゴールドの反射の具合で撮り方によって色の違いが大きくなり色味が前後して見えてしまうかもしれませんがご了承ください。
- クリアーイエロー1回目
1回塗っただけでも思ったより悪くないです。
- クリアーイエロー2回目
左が1回塗り、右が2回塗った状態です。
写真ではわずかな差ですが実物ではもう少しわかりやすい差が出ています。
- クリアーイエロー3回目
左が1回塗り(前の写真と同じもの)、右が3回塗った状態です。
写真でもわかりやすいくらいの差が出ています。
- クリアーイエロー4回目
左が1回塗り(前の写真と同じもの)、右が4回塗った状態です。
徐々に色の深みが増しています。
- おまけ:クリアーイエローにクリアーオレンジを少々混ぜてみた
右 : クリアーイエローにクリアーオレンジを目分量で1:1で調合し、1回塗りの状態。
中央 : クリアーイエロー 4回塗り
左 : クリアーイエロー 1回塗り
クリアーオレンジを混ぜると少々カッパー(銅)寄りの色味になり、クリアーイエロー4回とほぼ同等の濃さに感じる。
(なお水性塗料の特性のせいか数時間放置後に色がだいぶ落ち着いてきたために色味がこの写真よりも少々カッパー寄りになったと感じる。)
トップコート
それぞれ光沢コートと艶消しコートで仕上がりの差を比較しました。
写真左から、クリアーイエロー1回塗り、4回塗り、そして右がクリアーオレンジを混ぜたものになります。
LEDライトのリングの反射具合を見てもらえば光沢かつや消しかがわかると思います。
ただ写真では実物ほどはっきりと表面の差が見えません。
- 光沢コート
写真の左側半分に光沢コートを吹いた。
磨いていないのでつるつるではないが、塗装した直後の艶感はそのままキープという印象。 - つや消しコート
写真の右側半分に艶消しコートを吹いた。
写真ではわかりづらいが、マットな感じとなりメタリック塗装に艶消しコートはアリだな、と感じるほど。
使用したもの
検証用にいくつか材料を用意しました。
- プラ板
手持ちのものか100円均一で買えるもの - プラスティックスプーン
手持ちや100均で売っているもの、コンビニでもらえるものなど
- Mr.Hobby サーフェイサー ブラック 1500
- 水性ホビーカラーNo. 8 シルバー
- 水性ホビーカラーNo. 91 クリアーイエロー
- 水性ホビーカラーNo. 92 クリアーオレンジ
- クリアー
- つや消し
- 充電式エアブラシ
- 塗装ブース
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比較検証
プラ板とプラスティックスプーンにそれぞれ条件を変えて塗り分けしています。
プラ板に塗装
右半分(ベタ塗り) : 右から、クリアーイエロー1回、2回、3回、4回塗り重ね
左半分(グラデーション) : 右から、クリアーイエロー1回、2回、3回、4回塗り重ね
上段 : 光沢コート
下段 : つや消しコート
全体写真
左側 : グラデーションに重ね塗りした部分
右側 : フラットなシルバーの上に重ね塗りした部分
シルバーの塗りが甘かったせいか少々黒ずんでいますが重ね塗りの色の差はわかりますね。
スプーンに塗装
写真左から、クリアーイエロー1回塗り、4回塗り、そして右がクリアーオレンジを混ぜたものを塗布しています。
塗装から約半日放置後の色が落ち着いてきている状態なので色味はこの写真が最も実物に近い状態です。
また左右に分けて光沢(左)、つや消し(右)コートを塗布していますが、写真では現物ほど差がよくわかりません。
プラ板に塗装したものより形状がフラットではないので立体感を感じますね。
1回塗りがもっとも黄色に近いゴールドですが、百式にはこのゴールドが最もアニメに近い色味ではないかなと思います。
ほしい深みの分だけ重ね塗りをしていく、ということになると思いますのでお好みで調整しましょう。
なお、水性塗料を使用して青色でのキャンディ塗装を別の記事で検証しています。
こちらの記事もご覧ください。
黒立ち上げ キャンディー塗装を水性塗料でゴールドにのまとめ
ゴールドの色味はお好みで塗り重ねればいいと思います。
クリアーイエローは1~2回の重ね塗りは黄色に近いゴールドのイメージ。
クリアーイエローに少々クリアーオレンジを足して塗ると1回塗でも複数回重ね塗りした状態に近い仕上がりで、色味はカッパー(銅)によっていくイメージです。
つや消しはマットなイメージになっており、メタリックとつや消しの組み合わせも味があります。
とくに1000番まで磨かないならマットな方が合うかもしれません。
番手をあげていって何度も磨かなくてもこのくらいの艶で満足できれば手軽にキャンディ塗装が楽しめますね。
もちろん磨き上げてつるつるのキャンディに仕上げてもいいでしょう。
これらの検証結果から、水性塗料でも十分キャンディー塗装を楽しめることがわかりました。
グラデーション+キャンディ塗装は筆塗りよりもエアブラシを使った方がやりやすいと思います。
ゴールドだけでなく他の色でも同じ要領でキャンディ塗装を楽しめますね。
黒立ち上げとグラデーションの合わせ技での応用のイメージでそれほど難しく考えず塗装を楽しみましょう。
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