ジオンのモビルスーツといえばモノアイ。
モノアイを実際のメカ風にするとHGでも雰囲気が変わりますよね。
1999年に発売されたこのキットのナンバリングは「006」。
初期のモデルですが770円(2024年2月時点)と破格な値段で造形などとてもよくできています。
ただモノアイはピンクのシールを貼るだけなので少し安っぽく感じてしまうのは仕方ないところです。
今回はこのHGズゴックのモノアイを金属パーツを使って
「ちょっとリアルな感じ」「悪そうな目つき」
に改造する方法を紹介します。

このモノアイの改造方法は他のキットにも応用ができる改造方法です。
リアルな目つき、悪そうな目つきに ‐ HG ズゴックを改造
まずキットのまま組んだ場合と改造した場合の前後でどうなるのか見ていきましょう。
改造前後のイメージ
モノアイはシールを好みの場所に貼り付けることで再現されています。
キットをそのまま組み上げるとこのようになります(写真は解説書から)
今回はこのように改造をしました。
下の写真は塗装まで行い完成させた写真になります。
この角度から見るとかなりワルそうでかっこいいですよねw
どこにでもモノアイを取り付けることができます。

頭部のひさしにモノアイを上半分隠れるように見ると悪そうな目つきになりますよね。
改造の方針概要
- 金属のリングをモノアイ可動の軸と見立ててそこにマグネットで製作したモノアイユニットを装着
- マグネットで360度好きな位置にできるようにする。
このようなコンセプトで改造していきます。
準備
今回の改造に使用したパーツ、工具類です。
使用したパーツ
モノアイ
ハイキューパーツ VCドーム3 ピンクM 2.5/3.0/3.5/4.0mm(各5個 計20個入)
3.0mmを使用しました。
他のキットの改造も考慮して複数のサイズが同梱しているものを選びました。
VCドームに合わせて内径3.0mmでできるだけ薄いものを選びます。
Good-L ネオジウム磁石 丸型 業務用 【 直径2mm 厚み1mm / 20個 】
直径2mm、厚み1mmというサイズがちょうどSP PLATEにフィットします。
モノアイの可動部
今回は直径の異なる3種類のリングを用意してサイズ感や干渉具合を見てみました。

試したものは100均で手に入る小物から部品を外して使います。
写真の小物のリングを使います。
左から右に行くに従いリングの径が大きくなっていきます。
工具類
- ニッパー
- デザインナイフ
- ピンセット
- カッターマット
- マスキングテープ
- やすり
- 瞬間接着剤
- エポキシパテ
- ピンバイス
基本的には通常使用している工具類です。
今回のズゴックのモノアイ改造作業ではピンバイスが活躍します。

後述しますがナイフやニッパーではモノアイ部のパーツを”くりぬく”という作業がうまくいきませんが、その際にピンバイスが活躍します。
「ピンバイスで切る」w
なお、ピンバイスのドリル刃は単体でも購入できますが違う径のドリル刃を使用するケースがありますので、複数の径の刃がセットになったものを揃えておくと便利でしょう。
今回は手持ちの工具で部品をカットしたのでピンバイスを使用しました。
さらに細かくまたはきれいにカットしたい場合には、超音波カッターもそろえたいところではありますね。
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改造作業の解説
それでは順を追って解説していきます。
モノアイ製作
モノアイ製作
VCドームに合わせて内径3.0mmのSPプレートを用意します。
今回の改造ではモノアイを装着する部分にはスペースに余裕がありますのでモノアイの大きさはお好みで大きいものでも構いません。
その際はVCドームとSPプレート、ネオジウム磁石の径などの組み合わせを確認してください。
またモノアイパーツの厚みは結構あるので頭部パーツのピラーに干渉することも考慮しましょう。
モノアイをピラーの位置を避けて装着する場合には気にしなくてもいいでしょう。
まず、ネオジウム磁石をSPプレートにはめます。
ネオジウム磁石とSPプレートの境目のあたりに瞬間接着剤を塗布します。
この後VCドームをはめるので、この3つのパーツに接着剤がつくように接着剤を塗布しましょう。

瞬間接着剤は大量に塗布しなくても大丈夫です。
VCドームをSPプレートにはめます。

ピッタリですね
モノアイの完成です。
ネオジウム磁石について
ネオジウム磁石は磁力が強くとても便利ですが注意して使用しないと大切なデータを消去してしまったり、小さなお子様の手の届かないところで保管、取り扱うなど注意が必要です。
可動部の製作
本体側の可動部の改造をしていきます。
マグネットがつく素材のリングを流用して製作していきます。
リングについて
リングは径とお好みによって使うものを選んでもいいと思います。

100均で売っているカラビナやキーホルダーのリングを流用します
今回は写真の中央のリングを使用しました(リングのサイズは左から 小、中、大)。
それぞれをキットに組み合わせるとどのくらいのサイズ感になるかも見ていきましょう。
リングのサイズ
それぞれのリングの径をおおよそ測定しました。
左からおおよそ18mm、25mm、28mmと読み取れます。
それぞれのリングを頭部に組んでみました。
バランスとしては25mm(中央)がよさそうです。
28mmだとモノアイのパーツがはみ出してしまいますが、モノアイの可動位置がピラーに干渉しない位置で楽しみたければ奥に入ってしまっている感じはなくなるのでこれでもいいでしょう。
18mmはズゴックには径が小さすぎるようですが、他のキットには使えるかもしれませんね。

ズゴックは頭が大きいので…

以上から、中サイスの「25mm」で製作していきます。
加工作業
リングは2個使用し、それを瞬間接着剤で接着します。

表に接着剤がはみ出さないように注意しましょう。
リングの端は2個のリングで同じ位置に来るように合わせて接着し、組付け時には背面に来るようにします。
頭部の内側の2か所をカットしておきます。
これは作業時に組んだり外したりする際に、都度黒いパーツの穴にはまってしまって作業性が悪いためです。
気にならなければこの工程はとばしても構いません。
印をつけた箇所は、今回は小さいリングを検証するために大きく削っています。
中サイズのリングに合わせる場合はちょうどはまるように若干削ると後でリングを固定する際の「のりしろ」として使えますのでリングに合わせて削ります。
次にこの黒いパーツの外周部を切り取ります。
この部品は肉厚があるのでナイフ等では切り取りが難しくピンバイスでぎりぎりの位置にどんどん穴をあけていきます。
ニッパーなどでパキパキ切り取る場合は残したい上面が破損しないように丁寧にカットしていきましょう。
ピンバイスでパーツをこのように「切る」ことができました。
この部品は横から見ると平らではなく、リングを組もうとすると角度がついてしまい正面から見たときのリングの位置がだいぶ下がってしまいます。
下面を下図に線を付けているラインのように極力平らに、部品面は極力薄く、右の写真のように削っていきます。
(左の写真は小リングの写真、右の写真は中リング)。
見えない部品なので目の粗いやすりやルーターなどでゴリゴリと削り作業をし、合わせて断面も整えていきます。
マスキングテープなどを使って各パーツを軽く組み合わせて形状を確認し、形状が整ったら各パーツの本接着に進みます。
本記事ではピンバイス~やすりがけという手順で行いました。
もちろんプラスティックをカットするのに便利な道具「超音波カッター」を使って作業しても問題ありません。
加工ができたらエポキシパテなどでリングを固定します。
硬化する前にリングの位置をバランスの良い位置に微調整します。
仕上がり
各部品を組んでみるとこのようになります。
モノアイの加工でHGでも仕上がりが全く異なりますね。
できれば全体のやすりがけ、塗装にもチャレンジしてみてはどうでしょうか。
やすりがけ
全体的に丸みを帯びたジオン郡のモビルスーツですが、部分部分に面をだしてあげると全体の雰囲気が変わります。
胸部ダクトや腹筋部分の面だしをしてみました。
やすりがけでの面だしにご興味があれば別の記事にまとめていますのでこちらからどうぞ。

塗装
やすりがけをしたら塗装。
手軽に塗装できるハンディタイプの充電式エアブラシで塗装にもチャレンジしてみてはどうでしょうか。


作例
モノアイがリアル感のある、そしてワルい感じのズゴックになりました。
位置も簡単に自由に動かすことができます。
やすりがけ、少々モールド追加、そしてハンディタイプの充電式エアブラシでグラデーション塗装で仕上げてみました。

モノアイのレールはガンメタなどに塗装してみてもいいかもしれませんね。
他のジオンモビルスーツのモノアイも改造しています。
別の記事にまとめていますので興味があればこちらからどうぞ。



モノアイ改造でリアルで悪そうな目つきに、のまとめ
モノアイパーツだけ製作してテープで貼り付けてもリアル感が増します。
本記事では少々手間はかかりますが自由に位置が動かせて内部のモノアイレールのような感じに仕上げる改造を紹介しました。
他のジオン系モビルスーツにも応用ができると思います。
ズゴックに限らず製作の参考にしてもらえればと思います。
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