やすりがけの作業にはいろいろ思いがあると思います。
紙やすり(ペーパーヤスリ)の当て板”チョップレート”を使ってみました。
やすりがけはお好きですか?
好き
楽しい
できればやりたくない
これはプロモデラーのアーリーチョップさんとヘミアイピィディのコラボ商品として発売されています。
硬く反らない厚さ2mmのステンレス板に紙やすりを貼り付けて長いストロークでの面出しが可能です。
両面テープを本体底面に貼り、好きな番手や種類(スポンジヤスリ等)のやすりを貼り付けて使用します。
使ってみるととても使い心地が良く、きれいな面だしができます。
やすりがけが気持ち良すぎて思わずやすりすぎてしまうかもしれませんのでご注意をw
この記事は次の方にお勧めします。
- 商品を知りたい
- やすりの当て板の使い方を知りたい
- 効果を知りたい
- 作品のクオリティをアップしたい
- 実際に使ってみた感想、気になるところや良いところについて知りたい
紙やすりの当て板 ”チョップレート”
プロモデラーのアーリーチョップさんとヘミアイピィディのコラボ商品として発売されています。
使いたい種類(紙やすりやスポンジヤスリ等)や番手のやすりを両面テープで本体底面に貼り使用します。
紙やすり(ペーパーやすり)を硬く反らないステンレス板に貼り付けて長いストロークで面出しが可能です。
このように聞くと紙やすりを適当な板に貼り付けてやすりをかければいいんでしょ?と思うかもしれません。
基本的にはそうなのですが、持ちやすさ、サイズ、幅などちょうどよい仕様に仕上げられています。
何より思わず削りすぎてしまう恐れがあるほど心地よい使用感です。
商品名 : チョップレート
メーカー : HEMIxIPD(ヘミアイピーディ)
10mm、20mmという幅の違いでラインナップされています。
やすり作業が心地よい : 実際に削ってみた
プレートのサイズが2種類販売されていますので、削る面の大きさによって選びましょう。
もちろん両方揃えても構いません。
面をだす
平らな面に見えてもヒケがあったり少々歪んでいたりします。
当て板がなく手作業でヤスってもヒケは消せても平らな面をだすのは相当難しいです。
例としてHGギャンの上半身を削ってみます。
上面を削る際には部品を分解して単体でそれぞれの面を削っています。
側面を削る際には胸部と背面のパーツを組んだ状態で、まとめて削るとそれぞれのパーツの高さがそろいます。
別々で削ると組んだ時に高さが変わってしまう可能性がありますよね。
少々重量感のある金属のプレートのおかげで程よい力でちょうどよい削れ具合になっていると感じます。
そして、やすり掛けしているときの「ザッ」という音...
心地よすぎて削りすぎてしまうかもしれません。
ご注意を...
エッジを利かす
成型の状態によっては部品の角が丸みを帯びている場合があります。
下の写真はHG オリジン ガンダムで、印をつけている黄色のパーツはよく見ると正面の面にヒケがあります。
このキットは新しいほうですしそのままでも全体的にエッジは立っているほうだと思います。
それでもひと手間加えてあげると印象が変わります。
右の写真はチョップレートでやすりがけをし、塗装まで処理済の状態です。
下地処理(黒サフ)と中間色(オレンジ)、その後黄色の塗装をしており、塗装の塗膜が何層もできているものの、この写真くらいのエッジができています。
このようなパーツの正面に面だし処理をしてあげると、側面の処理をしなくてもそれなりのエッジが出来上がります。
もちろん丁寧に側面にも面だしをしてあげるとよりいっそうシャープなエッジにすることができます。
ロボットなど現実に存在するものとしてイメージしてみましょう。
すると各パーツの角にあたる部分は実際には板と板を溶接していたり一枚の板をプレスで曲げていたりと角が立っているイメージが沸くと思います。
実際、エッジが出ていると作品全体のイメージがシャープになり雰囲気ががらりと変わります。
そのような状態を少しの手間で簡単に表現できます。
右の写真はほぼすべてのパーツをチョップレートでやすり掛けして仕上げた作例です。
なお、塗装はハンディタイプの充電式エアブラシを使用しています。
エアブラシの購入に躊躇している方、本当に使えるの?と思っている方、この写真のレベルは十分塗装できます。
まず手軽に使えるリーズナブルなエアブラシからステップアップしてもいいと思いますし、詳細のレビューはこちらの記事もご覧ください。
イメージチェンジに
切った貼ったの改造をしなくてもちょっと削るだけでも作品の印象を変えることができます。
皆さんの想像で様々な場所が思いつくかもしれませんが、僕のお勧めは「ダクトやバーニアの淵」です。
樹脂成型だと型自体の精度や型の抜き方、細かなパーツの精度など様々な要因で完全な直角っぽい形状は特に小さなパーツでは難しいです。
以下、HG ズゴックのダクトの例で解説します。
もともとこのダクト部の形状は設定どおりだと思っていますので、出来が悪いとかそういうことではありません。
丸いダクトの先端側の形状が先細っている形状になっています(黒〇のところ)。
この先端部分を平らに削ってしまうと右の写真のような印象になります。
これだけでかなり印象が変わると思いませんか。
これはバーニアや筒状の先端部、出っ張っている部位にも有効です。
車のマフラーや金属でできた筒状のものをイメージしてもらえればわかるとおもいます。
先端は切り落としたような形状をしていますよね(していないものもありますが)。
そのような形状のパーツは小さくて成型が難しい部品でもあります。
先端部分をやすりがけして平らにするだけでも「さりげなく」、「より完成度がアップ」すると思いますよ。
「旧キット」に
今はスナップフィットとよく言われる接着剤不要のキットが主流ですね。
「スケールモデル」や「旧キット」と呼ばれる接着剤を使用して組み上げる従来からのキットも販売されています。
とくに旧キットでは合わせ目消しや面だしがキットの完成時のクオリティに影響しますし、「やる前提のキット」とも言えるのではないでしょうか。
「旧キット」がどういうものかを知りたい方は別の記事で解説していますのでこちらからどうぞ。
サーフェイサーを吹いてみた
チョップレートで面だししたパーツに黒サーフェイサーを吹いてみました。
効果としては
- フラットな面だし
相乗効果として
- エッジがシャープな感じになる
ということがわかると思います。
「チョップレート」の使い方
紙やすり(他のお好みのやすりでも)を底面に貼り付けて使用します。
マスキングテープを最初に貼っておき、両面テープ、やすりの順で貼ると交換の時に剥がしやすいです。
以下解説します。
1.マスキングテープを貼る
はみ出したところはカットする
2. 両面テープを貼る
マスキングテープの上から両面テープを貼り、はみ出したところはカットする。
3. ペーパーやすりを貼る
両面テープの上から紙やすりを貼り、はみ出したところはカットする
チョップレートの外形からのはみ出しを極力なくすことで、プレートのサイズを最大限有効に使えます。
上記解説では手順1~3まで都度カットしていますが、慣れてくるとまとめてカットもできるようになります
若干丸みを帯びている面に対しては、厚めのスポンジやすりを貼ることでスポンジが程よく丸みを吸収してくれます。面に合わせてやすりのタイプを選んで作業しましょう。
試しに削ってみるとこの通りまっ平です。
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使ってみた感想
気になるところ
交換頻度
やすりの交換頻度はそれなりに煩わしい点ではありますが慣れれば張替え作業自体は簡単です。
ただ交換したときの劇的な削れ心地の違いを感じると交換作業自体も楽しみの一つとも感じます。
目詰まり
金属やすりや他のやすりと同様に目詰まりはします。
歯ブラシのようなものでこまめに削りカスを取り除きましょう。
取り除いた後にも削り心地が変わるので心地よさを感じます。
紙やすりと同様に削れ具合を見てやすりの張替えをしましょう。
良いところ
用途に応じたやすりの番手で作業できる
使用する番手や厚みのあるスポンジやすりも好みで使用できます。
何本かそろえておいて、番手の違うやすりを貼っておくと作業がよりスムースに進むでしょう。
やすりは使い捨て、目詰まりしたら交換
目が詰まってきたり表面が消耗したら交換します。
これはどのやすりも同じではありますが、金属プレートタイプのやすりだと目詰まりが取れなかったり後処理が面倒ですが、張り替えてしまうのでこれが必要ありません。
金属やすりで起こりがちですが摩擦で溶けた樹脂が入り込んでしまって取れないということもないので交換できるメリットは大きいです。
硬いものであれば金属のやすりがいいでしょうがプラモデルに限定すれば紙やすりで十分やすりがけができますので、金属プレートのような目詰まりを気にせずがんがんやすりがけ出来るのは大きなメリットです。
重量があって軽い力で適度な圧がかかる
自重のせいか力をそれほど加えなくてもほどよく削ることができます。
(感覚になるので個人差はあるかもしれません)
心地よい削り音
やするたびに「ざっ」「ざっ」と心地よい音がします。
手作業や金属やすりではこの音は出ないと思います。
フラットで真っ平な削り面
最後に書いていますがこれが最大のメリットでしょう。
やすりがけが楽しくなります。
作例:プラモデルの面だし
前の項で部分的に紹介した作品を作例として紹介します。
HG ギャン
ジオン系モビルスーツは丸みを帯びていて直線部が少ないイメージですが、曲線と直線のメリハリをつけてみてはどうでしょうか。
紹介した胸部パーツの各面やダクト、手首などを面だしをしています。
HG ズゴック
ズゴックも全体的に丸い印象ですが、記事で紹介したダクト以外にも、腹筋や下半身のふんどし部などでも面だしが有効です。
モノアイはマグネットを使用して可動式に改造をしています。
モノアイの改造については別の記事で改造作業について解説しています。
HG ガンダム(ジ・オリジン)
連邦のモビルスーツはジオンとは逆で角ばっているので面出しのし甲斐があります。
外装はすべて面だしして、塗装しています。
黒立ち上げ~ 中間色をいれて ~外装の色、の順に充電式エアブラシでグラデーション塗装をしてみました。
塗装作業の解説を別の記事にまとめています。
合わせて揃えたい工具
やすりがけ作業に合わせて揃えておきたいお勧めグッズも紹介します。
削りカスや切りクズもまとめて処理できる作業台
無数に穴が空いている金属製プレートが作業台となっており、やすりがけやパーツカットを作業台の上でおこなうことで、削りカスやプラカスが金属プレート下部のトレイにそのまま集めることができます。
作業後のカスやごみの片付けを容易にしてくれて、ルーペやライトも付属しているので細かな作業にも威力を発揮してくれるコンパクトな作業台「ワークステーション Ver 2.0 Pro」です。
レビューした内容は別の記事にまとめています。
スジボリ
やすりがけとセットでこだわりたい作業としてはスジボリでディテールアップもしたいですね。
別の記事でスジボリ工具とそれを実際に使用してスジボリの状態を写真で検証しています。
興味があればこちらの記事もどうぞ。
エアブラシ
せっかくやすりがけをしたなら成型色仕上げももちろんいいですが塗装もしたいですよね。
これから塗装にも挑戦したいという方は何を用意したらいいのか、と迷う方も多いとおもいます。
最初から高価な工具類を用意しなくても塗装や製作を楽しめます。
まずはエアブラシ。
手軽に使える充電式ハンディタイプでも紹介した作例程度であれば塗装できます。
まずはお手軽な充電式ハンディタイプから始めてステップアップしていけばいいと思います。
詳細のレビューはこちらの記事もご覧ください。
塗装のときに必要なもの、あればいいものも別の記事でまとめていますのでこちらも合わせてどうぞ。
紙やすりの当て板 ”チョップレート” のまとめ
やすりがけは地味な作業ではありますが、作品のクオリティアップには間違いなく効果があると実感した商品です。
サイズ違いや、まとめて複数本準備して作業時の交換作業を減らしてもいいかもしれませんね。
交換作業の煩わしさを気にするかもしれませんが使ってみると、削ったときの「ざっ」という音をまた聞きたいとすぐに新品のやすりに交換したくなるほどです。
作業時のやすりの音に加えて削れる感触もいいので、いつまでも削っていたい(削りすぎ注意)、そんな商品です。
なによりやすりがけが楽しくなりました。
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